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Journal de cerisier

漫画家のたまごです

初めての担当さんとネーム

初体験目白押し

長年漫画家志望をしておりましたが、一度も「担当さん」という人についてもらったことがありませんでした。昨年念願の受賞が叶ったと同時に、念願の「担当さん」をゲットしたわけです。そして初めてのネームの提出やらお直しを経験中なのですが…とにかく全てが新鮮です。

だって、まず、ネームを見てもらえて、それに対して色々指摘してもらえる。こんな贅沢なことある!?プロの視点で見てもらえて、自分では全く気づけない粗や欠点や悪い癖を教えてもらえる…ありがたすぎて涙が出ます。

そしてプレッシャーがかかる。これも新鮮。これまでは自分の〆切こそ決めていたものの、その日に投稿さえできれば何でもいいや〜だったのでネームの〆切なんてあって無いが如し…だって原稿で急げば間に合ったし、ネームが苦手だからその分じっくり取り組もう…とそれはそれは時間をかけて描いてました。
それが、担当さんがついてくれたからにはネームを見てもらいたい。選考会もあるから、それに合わせて提出したい。ネームに〆切の概念が生まれたわけです…これは私にとって画期的な出来事です…苦手なあいつを時間内に仕上げないといけないわけです…いや、いけないってこともないのかもしれないけど、私が勝手にプレッシャーをかけて勝手にやろうとしてることなのです…。そしてこれが大変しんどいのですが、大変に奏功して、数日でネームの腕がドドーンと上がったように思います。

 

ネーム!

今までは結構適当に描いてました…これではいけないんじゃないかな〜とは思いつつ、ネームしんどいし自分さえわかればいいし…こんなもんでいいんじゃないの…みたいな気持ちで…。

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これじゃ表情も何も分かんないよね!
いや、描いてる本人にはふわっとしたイメージはあるんですが、いざ原稿に起こした時に「あ、これ2コマかけて同じ表情描いてる…」みたいなことがよく起こってました…。このネームを見て、脳内で勝手に補正して、良しとしてたんですね…。俯瞰して見たり客観視したりってことが全くできてなかった…気がします。
今回初めて「提出して人に見てもらうネーム」を作ってみて、自然と今までより丁寧に描いてる自分に気づきました。イメージを描き起こすのに手間取ったり、構図が思い浮かばなかったり、これまでは下絵を描きながらぶつかっていた壁にどんどんぶつかりました。でも描き上がってみたら、今までよりずっと冷静に見返せるネームになってました…。で、見返してまた色々思うところがあるからまた直して…。
そうやって完成したネームは、これまでで一番の出来栄えでした。

丁寧に描くって大事…。
以前は自分さえわかればいいや〜って思って描いてたはずなのに、結局完成図は自分でも全然わかってなかったんですね。
丁寧に描いたら客観視しやすくなった。これは大きな前進でした。

そしてさらに、自分では考えられないような出来事が起こりました…ネームが楽しくて仕方なかった!これはもう…驚きです。
以下長いので格納。半分自分メモです。

なんでこんなに楽しかったんだろう

私はとにかくネームが苦手で苦手で仕方なくて、もうつらくてつらくて…でもネーム描かないと漫画が描けないからヤケクソで描いてるような人でした。
まずコマ割りができない!どうやったら漫画っぽく読みやすく気持ちいい画面構成ができるのかわからない!!次にコマの中の絵が決まらない!!何描いたら漫画っぽくなるか、言いたいことが伝わるのかわからない!何もかもできない!!…そんな気持ちで毎回ネームを描いておりました…。
苦手意識が本当に強かったんです。
それでも毎回描かないと始まらないので、とにかくがんばりました。
その経験値のおかげで、やっとちょっとだけ「言いたいことを伝える時の効果的なコマの割り方」みたいなものが…少しずつですが身についてきたように思います。自分の中の引き出しが増えてきた、ということになるのかな。ここは感情が動くから縦でダイナミックに割ろうとかその程度のことですが、右も左もわからなかった頃と比べれば大分前進しました。
それが要因の一つ目。

そして、ネームに感情と勢いを乗せる方法がちょっと分かった気がする、というのが要因の二つ目。「伝えたいこと、描きたいことを描く」というそれだけのことが私にはなかなかできなくて、それよりも「漫画っぽく見えるか」みたいなことばっかり考えて描いていた気がします。苦手意識のなせる技ですね…ネームが苦手だから、いかに漫画っぽいものに仕上げるかってことばかり考えていました。「登場のコマだからぶち抜きで」とか「さっき横に割ったから今度は縦で」とか、まぁ要はサル真似ですよね…。内容の伴わない画面構成をしていたことに、今回描き上げてから気づきました。
今回のネームは、自然とそういうサル真似を卒業して、自分の描きたいこととちゃんと向き合って描けました。そうしたら、それが本当に楽しかった。ここへきてやっと、漫画の描き方の基本中の基本が分かった気がします…。

要因の三つ目が、画力の向上。これまでも絵の練習はしてきましたが、最近ちょっと前進した気がします。
もともと絵が下手なので、まずアタリをきちっと取って、裸を描いて、服を着せて、些細なデッサン狂いも見逃さないように…とラフを何度も描き直してからやっと下絵が出来上がる、みたいな描き方をしてきました。
そうやって多少は上達してきたので、今度はそこから一歩進んで「簡単なラフから絵を描く」みたいな練習を少し前に始めて…と言っても普段よりラフを描き込まないように気をつける…とかその程度のことですけれど、とにかく心がけるようにしてみました。
模写もよくするのですが、その際もなるべく簡単な線で、多少狂ってもいいから勢いと気持ち良さを大切に描くようにしてみて…。
そんなこんなで、昔よりも絵を描くスピードが少しずつ上がっている気がします。同時に、勢いのある気持ちいい描き方がちょっとわかってきた気がしていて、それがネームを描く際にすごく役立ったなぁ〜と思っています。
このコマに走ってる絵を描く!と思った時に、これまでだったらアタリからラフを重ねないとうまく描けなくて、だからネームでは簡単な絵で済ませてて、そうすると結局客観視できないし、気持ちも乗らないし、ネームつまんない!しんどい!となっていたのだなぁと…。
今回は「デッサン狂ってもいいから感情を乗せて気持ちよく描こう!」と思えたし、そうやって描いたら絵を描くこと自体がすごく楽しくて、結果ネームもすごく楽しめたのでした。

 

今回ネームが楽しかった理由は三つあったんだなぁと自己分析してみました。
一つは経験値。一つは感情の乗せ方がわかったこと。一つは画力が向上したこと。
でもこれって(書いてから気づいたけど)全部影響し合ってるなぁ…。
全部が影響し合って混ざり合って、今回のネームはとても自由な気持ちでのびのびと描けました
本当に楽しかった!この呼吸を忘れずにいたいと思います。


そして、一つ前の記事で「自分のネームの問題点を考えてみます」と書いたけれど…。その後考えたけどわからなくて…やってみたら楽しくなったしいいものも出来たから理由を考えてみたら色々わかったよ〜!っていう結果です…。
つまり、結局のところ手を動かせ!と、そういうことでしょうか。
ネームで悩む昔の自分や、この記事↓を書いた時の自分に伝えたい…。

でも、こうやってあれこれ考えるのは好きなので、これからも手を動かしつつ色々考えつつ漫画を描いてみます。頭でっかちなタイプで考えすぎて動けなくなることがよくあるので、それには気をつけつつ…。

それにしても驚くべきことに、もう次のネームが描きたくて描きたくて仕方ありません!
大っ嫌いだったネームがこんなに楽しくなるなんて、漫画を描くのがますます楽しくなっちゃいますね…この中毒性…。

 

そうそう、ネームを描くときは糖分必須の私ですが、何年かぶりにプッチンプリン食べたらその後おそろしく捗りました。プッチンプリンすごい!またお世話になります。

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